今月のおすすめ　

書名／OKUDAIRA BASE　春夏秋冬の暮らし方
　　　－料理、手仕事、おもてなし、道具のデザイン。28歳、自分が心地いい仕事と生活－
著者／奥平 眞司
出版社／誠文堂新光社

 

　著者の奥平眞司さんは、「OKUDAIRA BASE」という自身の暮し方を発信する、近ごろ注目の“暮らし系ユーチューバー”。
効率とスピードが求められる世界から一歩離れ、暮らしの中の楽しさをYouTubeで日々配信し続けています。
この本はそうした著者のライフスタイルを綴ったエッセイです。
料理研究家やベテラン主婦による“暮らしの本”が多い中、今の「28歳・男性」が紡ぎ出す心地よい暮らしとは…。

　生活の舞台は、築50年以上の平屋１LDK。自生するよもぎで作るよもぎもち。DIYのウッドデッキ。欠けた器が生まれ変わる金継ぎ。レイズベッドで野菜作り。こだわりのスパイスカレーや赤じそシロップ。三つのコーヒーの淹れ方と飲み方。秋の夜長はおうちシアター。石油ストーブで作る焼き芋…。

　お金を掛けなくてもちょっとした気づきで暮らしは輝き、愛おしいものにしています。
「暮らしは尽きる事のない魅力に溢れている」と著者。
春夏秋冬奥平さんの魅力ある生活ぶりを豊富な写真で紹介すると共に、話題は実生活での人間模様や仕事の取り組み方にも及びます。
そして、その随所に奥平さんの真摯な生き方が滲み出ています。

　「やりたいことが見つからない」というYouTube視聴者からの相談には、「穏やかな生活を心掛け、自分を焦らせる環境から離れることが大切。自分を追い詰めるような家族や友人からは一旦距離をとる。そうする事で自分と向き合い、何をしたいのか、どういう状況を心地よいと感じるか、ありのままの自分でいられるのはどういうときかなどを見つけることができる」と語る。
心地よい暮らしを追求し続け、一つ一つ丁寧に生活を営む著者の言葉がストレートに心に響きます。
世代を問わず、自分軸で暮らすためのアイディアやヒントが得られる一冊です。

（図書部　K・Y）