今月のおすすめ　

書名／みんなとおなじくできないよ　障がいのあるおとうととボクのはなし
作／湯浅正太　絵／石井聖岳 
出版社／日本図書センター

 

静かに共感を広げている一冊の絵本です。

絵本をつくった小児科医湯浅正太さんが子どもの頃の自身の経験をもとにつくった。

絵本に登場するおとうとは「ジタバタ　はしってころんでばかり」
「おしゃべりはつっかえるし　もじはグニャグニャ」「なんでおとうとは　ほかのことちがうんだろう？」

小学生のボクがある日、友だちからいじめられているおとうとを助ける。
そこでおとうとから「おにいちゃん　みんなとおなじくできないよ」という言葉を聞き、人知れず苦しんでいたことに気づく…。
「みんなとおなじくできないよ」と打ち明けられたことをきっかけにもっとわかちあってあげたいと見つめ直すようになった。

一方でおとうとの問題は自分のせいなんじゃないかと自分を責めた時期は、親には言えず布団の中で毎晩１人で泣いた。

でもおとうとと長い時間をすごしていると、ボクの知らなかったいろいろなおとうとがわかってきた。
人に優しく純粋なものを持つおとうとの魅力に気づき…

誰もが穏やかに生きられる社会になってほしいと願いながら…。

（図書部　Ｍ・Ｏ）