令和4年11月 本の紹介〔図書室〕

公開日 2022年11月08日

新着資料案内

三鷹市立図書館のホームページの「検索・予約>新着資料一覧」で、所蔵館を「井の頭C・C」に表示変更したページを参照ください。

井の頭コミュニティ・センター図書室新着資料(三鷹市立図書館ホームページ)

  • 最近1か月間に井の頭コミュニティ・センター図書室で受け入れた資料をみることができます。
  • 新着資料を受け入れた日の翌日午前5時頃更新されます。
  • 井の頭コミュニティ・センター図書室の受け入れ後1年以内の資料及び雑誌・まんがは、井の頭コミュニティ・センター図書室でのみ予約と貸出ができます。

※新刊書とは限りません。古い発行年の資料で、新たに受け入れた資料も含みます。

本のひろば

図書部では、毎月「本のひろば」を発行し、おすすめの本を紹介しています。

本のひろば11月号〔No.286 2022.11.1発行〕より
 
おじいちゃんの手帳

 今月のおすすめ 

書名/おじいちゃんの手帳
さく/藤川幸之助 え/よしだよしえい
出版社/クリエイツかもがわ

 

 おじいちゃんはいつも小さな黒い手帳を持ち歩きます。この手帳には名前のほかにいくつかの質問が書いてあります。「今日は何月何日何曜日ですか?今は何時何分ですか?あなたの名前は何ですか?」ゆっくりと全部答えて、おじいちゃんの1日が始まります。

 昔、おじいちゃんは小さな学校の校長先生でした。
手帳には、職員会議、入学式、事業参観日などスケジュールがいっぱい書き込まれています。でも今は働いていません。

 時々おじいちゃんは背広を着ておばあちゃんと一緒に「行ってくるよ」と家を出ます。ちょっと遠くの公園まで行って、また2人で帰ってきます。おじいちゃんは認知症なのです。

 家族みんなの時おじいちゃんは自分の話ばかりします。同じ話を何度も何度も。ある時お父さんが「その話はさっき聞いたよ もう黙ってて!」と怒ったように言いました。おじいちゃんはしょんぼりして自分の部屋に行き、手帳を広げていました。

 「おじいちゃんさっきの話もう一回聞かせてよ」と僕が言うと喜んで話してくれました。「おじいちゃんの話は何度聞いてもおもしろいね」と言うと、もっと喜んで、僕を強く抱きしめてくれました。

 おじいちゃんはさぞ嬉しかったことでしょう。今まで認知症に子どもが関わる話を聞いた事はありませんでした。認知症、介護者、すべて大人の問題のようでした。けれど子どもたちが認知症の人に接し学び、思いやりの心を持って成長したら未来はもっと明るいものになるでしょう。考えさせられた絵本です。

(図書部 H・K)

⇒「おじいちゃんの手帳」の蔵書情報はこちら(三鷹市立図書館ホームページ)

今月のテーマ図書

11月のテーマ 「働く人」

図書部では、毎月テーマ本を決めて、図書室の受付(カウンター)付近に排架しています。

井の頭コミュニティ・センター図書室テーマ図書(三鷹市立図書館ホームページ)