今月のおすすめ　

書名／言葉を生きる－考えるってどういうこと?
著者／池田 晶子
出版社／筑摩書房

 

　ちくまQブックスは、クエスチョン（疑問）からクエスト（探究）へと色々な角度から見た『なぜ？』が、もっと知りたくなり世界が広がるシリーズです。

　著者の池田晶子さんは既に16年も前に亡くなられていますが、言葉は常に普遍的でありますが常に新しく感じます。

　「考えるってどういうこと?」と本のタイトルが投げかけています。
同じものを見ても自分と他人では違う感じ方もあり、それを伝える手段は頭で考えて言葉にしないと伝わらない。
では、みんなはどう感じ、どう考え、どう言葉にするか？　心はどこにある？　自分は何者？　生命は？　と聞かれると、いい歳の私でも言葉を使って説明するのはとても難しいです。

　この本は若者に向けた『なぜ？』の本ではありますが、哲学なんて難しく考えないで、当たり前が当たり前の言葉になってスッと入って来て浄化された気持ちになりました。

　池田晶子さんの残された言葉で少し周りを見てみようと思い、他人の事を考えられたら今より優しい社会になれる気がしますね。

（図書部　H・O）